1 歩きはじめ       

  私の私的名刺の肩書きは街道WalkerWatcher 。旧街道を日本橋から京三条大橋往復、同じく日本橋から伊勢内宮往復。現在は大坂高麗橋から旧中山道を歩いて長良川を渡った。「歩いてみれば見えることがある」。こんな演題で、互助組合でお話したことがあったが、歩く旅は想像以上にスリルに満ちていた。時には道違えて迷走し、戻って歩いて雨中6万歩。分岐点では、はらはらどきどきして行き先を選ぶ。次の歩みが徒労になるか否か。

 私の、この歩き旅の動機は自慢できたものではなかった。ストレスから血糖値が上昇し薬を処方されたが、それを拒んで運動療法。毎朝の散歩に約9千歩。夕食後に片浜駅前の西友まで往復。100分、約1万歩。おかげで、みるみるうちに首回りは4㎝、ウエストも6㎝の減で血糖値は正常値に戻った。


 ある時、ふとロングをやろうと思い立ち、旧東海道の歩き旅が始まったのだった。