江戸城無血開城  新橋~品川 田町大木戸付近
   
 
第1京浜を、僧正寺・芝明神前を通過していくと、やがて田町の三菱自工本社ビル前に至る。ここは、西郷南州・勝海舟の会見場所で、薩摩藩蔵屋敷跡。かつては海に面し薩摩藩が物資を運び入れた場所だ。ここでの会談で西郷と勝は江戸城無血開城の偉業をなすことになる。美談で語られてはいるが、この会談は出来レース。勝が幕末志士たちとフルベッキ写真に収まっているのを見れば察しはつく(注1)。裏で暗躍していたのはアーネスト・サトウら外国エージェント。戊辰の役も、大阪湾に入った外国艦隊が圧力をかけた結果だった。

 この地は三叉路になっていて、右手にはNEC本社ビルがそそり立つが、そこが薩摩藩上屋敷跡。ここに篤姫は入り、家定に嫁いだ。さらに南下すると高輪大木戸門に至る。宿場の入口・出口は見附または大木戸と言い、この間が宿場だった。
 この地近くには48士が眠る泉岳寺。さらに高輪台、御殿山へと道は続く。
  注1 「幕末 維新の暗号」(上・下)加治将一 祥伝社文庫
幕末の志士たちが勢揃いして写っているフルベッキ写真に収まっている。