日本橋界隈(2)  
  日本橋界隈にとどまっている。木屋、にんべん、鮒佐に、うぶけや、河岸の名残だ。長崎屋に十軒店跡。常盤橋、三浦按針宅旧跡に金座(日本銀行)。三越に白木屋、高島屋…。三越には触れねばならないだろう。現在の日本銀行付近に、店先売り、現金、掛値なし、反物切り売りで、日本の百貨店商法の先駆けをなしたのは、伊勢松坂の商人、三井高利八郎右衛門。店はわずか間口9尺。やがて、三越は、駿河町(現在地付近)に移転して店を拡充させ、両替商を経て、三井財閥を築く。その閨閥たるや皇族、政財界等々、驚嘆に値する。
 三井については謎が多い。三井11家。惣主は北家で八郎右衛門を名乗る。京真如堂、向島の謎の三本鳥居三囲神社…。三井の守り神だ。止めておこう。

 

日本橋三越正面
  日本銀行付近には金座があった。12両は江戸の金制度。銀本位は上方の貨幣制度で何貫目。江戸上方の二重の為替制度で、両替屋が生まれ、多くは明治の財閥になっていった。次号は日本橋を発つ。
日本銀行